2014年3月28日金曜日

安価な水晶振動子でフィルターを(2)

秋月やサトー電気などで販売されているマイコンクロック用の水晶振動子(HC49US)でフィルターを作ってみる実験。先日はCW用の500Hz帯域フィルターを作成して設計に近い特性を得ることができました。今回は、SSB用に帯域を広げることができるかという実験をしてみました。

計算上は荷装容量が12pFと小さくなり、入出力インピーダンスんは3.3kΩと高くなっています。APB-3で測定してみると帯域幅は約1kHz程度となりずいぶん狭くなってしまいました。要因を考えるにまずラダー型の設計式を見てみると...

  Ct=2xCs((δF/Bw)-1)) 

   Ct:荷装容量 Cs:端子間容量 
   δF:並列共振周波数 - 直列共振周波数 Bw:-3dB帯域幅

とあり、Bwに対してプラスに影響するものは荷装容量が小さくなること、水晶振動子の端子間容量が大きいこと、並列ー直列共振周波数差がおおきいこと、と読み取れます。荷装容量を大きくすると帯域幅が狭くなることは知られており、可変させることでフィルター帯域を任意に変化させることも可能です。しかし、荷装容量を減らすと(ブレッドボードで組んでるためか)浮遊容量などの影響が大きくなって設計値より大きくずれてしまうようで(帯域幅が広がらない)、かつインピーダンスも上昇します。
となると、荷装容量を変えないで帯域を広げるならば、水晶振動子の端子間容量を増やせば...そうだ振動子をパラにすれば良いかも、という単純な発想で早速準備してみました。まず、2つの水晶振動子をパラレル接続にした場合と単体で測定比較してみました。端子間容量は当たり前かもしれませんが倍の3.6pFとなり、直列共振周波数は単体よりやや上昇(200Hz程度)し、直列ー並列の差はごくわずかに広がりました(100Hz程度)。

濃い曲線が振動子単体 右にシフトしている薄い曲線は2つパラレル接続


シングル・パラレル接続4素子フィルター(設計Bw = 2.1kHz)

ブレッドボード上で4素子フィルターを組み、2.1kHz幅として計算した荷装容量でシングルとパラレルで構成したフィルターを測定しました。濃い曲線がシングル、薄い曲線がパラレルの測定結果ですが、荷装容量にかかわらずパラレルの方が帯域幅が広がっています。ただ、やはりせいぜい1.5~1.6kHz幅止まりで十分広がりません。

シングル(濃曲線)・パラレル接続(薄曲線)フィルター特性比較
(測定系とインピーダンスがあってないので帯域内リプルが大きい)

 浮遊容量の影響もありますがもともとの水晶振動子の直列ー並列共振周波数差が4.4kHz程度と狭いため水晶振動子をパラレルにしても思うようには広がらないのだろうかと考察します。

また、もとの文献をまだ見ていませんが直列ー並列共振周波数の半分程度がその水晶振動子で作成できる最大帯域幅と考えるという記述もネット上で散見されており、どうやらこれらの振動子を使ったラダー型フィルターはせいぜい2kHz程度が限界なのかもしれません。

ブレッドボードではなくてちゃんと組んで再検証する必要はありますが、これらの水晶振動子で作るラダー型フィルターはCW用狭帯域フィルターに限ったほうが無難といったところでしょうか。

2014年3月24日月曜日

136kHz移動運用(静岡県熱海市 JCC#1805)しました!

ようやく気候も春めいて気温も上がり風も穏やかそうだったので、昨日ひと月ぶりに移動運用しました。場所は伊豆スカイラインの駐車スペースのある広場で、とても見晴らしのよいところです。朝早くに到着して誰もまだいない中設営を開始したところ、パラグライダー・ハンググライダー愛好家の方々が続々と。どうやらこちらは離陸ポイントのようでした。移動をお願いされましたが、設営半ばのためこちらもお願いしたところ、端のほうでならということでOKをいただきました。その節はどうもありがとうございました。

そんなわけで干渉を避けるためアンテナ展開は2条傘のうち一本が十分に展開できない状態で調整しました。風はやや強めでVSWRも不安定でしたが何とか交信可能な状態となりました。ちなみにアースは下が土と草だったのでブルーシートの上にアースマット10枚を置いたところで測定上アンテナ入力抵抗は約100Ω強となりました。

11時半過ぎより136.5kHzでCQを出すとほどなくJN1MSO局からコールがありQSO成立、そのあとJH3XCU/1局とJA1CGM局と交信成立しCWでは3QSOできました。交信各局TU FB QSOでした。

ここで特筆すべきはノイズレベルが極めて少ないことでした。TX-136内蔵の20dBプリアンプを入れてもノイズは始終S4前後と静かで各局のシグナルは非常に明瞭に受信できました。東六甲展望台のときも少なめだったので、やはりある程度高台のところで市街と離れているというところが大きいのでしょうか。

さらにバンド内をワッチしていると下の周波数でJP1ODJ局のCWビーコン(直線距離113km, 10W送信だったそうです)が579の強さで受信できました。その後3回ほどQRSS30で自コールを送信し(出力20Wくらい)、清須市をはじめ複数のグラバーに捕捉されました。残念ながら3エリアで待機いただいた局には捉えることができなかったようです。次回はもう少しちゃんとアンテナを展開してリベンジできればと思います。

 上着も要らない暖かさ ビーコン送信中は寝転がって青空を拝むのも良い

 ビーコン送信中は暇なので寝転がってパラグライダー・ハンググライダーの離陸を見ていたところ、年配の方がこちら寄ってきたので少しお話しました。

『 私も昔無線やってたけど、今無線やってる人少ないでしょ。特に若い人とか。』
「そうですね。昔無線やってた世代が復活してなんとか持っているようなものです。若い人は皆無ではないですが少ないですね。」
『そうでしょう。これ(パラグライダー・ハンググライダー)も年寄りばっかりでさ(苦笑)、若い人が本当に少ないよ。10年位したら誰もいなくなっちゃうんじゃないかねぇ。どんな趣味も一緒だね。ほんと若い人って何してるんだろう』
「みんなネットとかゲームのほうに行っちゃってるのかもしれませんね。」
『なるほどねぇ。』

まぁそんな会話しつつ、風も強くなってきたため3回目のQRSS送信終了後3時前に撤収。疲れを癒すべく伊豆スカイラインをもう少し南へ下ったところの温泉施設に向かいました。しかしなんとすでに閉鎖されていたためあわてて他の施設を探し求めたところ、結局網代まで戻ったところで日帰り温泉を見つけ、そこでゆっくり温泉に浸かって帰宅いたしました。

現場を離脱する直前富士山方面のワンショット
大変良く開けてます 眺めているだけでも飽きない(笑)

網代のちょっと高台にある日帰り温泉
連休最終日のためか人も少なくゆったりできました

温泉帰り道途中にて湾の様子
ちょうど日が落ちる頃で街の様子が綺麗でした

もっと雰囲気を出そうとして車内から
フロントガラスにピントが合ってしまった(汗)

最後に気になったのは、伊豆スカイラインを走ってみてもかつての大きなドライブインはことごとく閉鎖して廃墟のまま佇んでおり、通ってきた伊東、網代、熱海あたりもコンビニやファミレス類ばかりが目立つ感じなのでした。そういえば、ちょっと前知人宅に伺う折駅周辺で手土産にお菓子を買おうとしたらそれこそコンビニやスーパー、牛丼屋ラーメン屋ばかりでちょっと困ったのを思い出しました。住宅街に進むととそれこそ50mごとにコンビニが。これも時代の流れなんでしょう。さっきの話じゃないけれど、リアルな世界はどんどんつまらない方向に行っているような気がしてなりません。という感傷に浸ったところでこの稿を結びます。

2014年3月21日金曜日

7MHzCW受信部試作中


ATS-4やHendricks Tri-Banderを設計したKD1JV Steven Weberさんが好んで(?)使われている回路構成を真似てブレッドボードに組みました。RF、IF増幅なし、前に作った4素子のラダー方クリスタルフィルタ、周波数変換と検波兼BFOにSA612をあててLM358のオペアンプ2段から低周波増幅としてNJM2073Dを使いスピーカーを鳴らしています。

スピーカーアンプといえばLM386は定番中の定番ですが、電源オンオフでのポップ音や無信号時のヒスノイズが気になるので秋月で手に入るNJM7023DというIC(2個で150円)を試してみました。NJM2073Dはステレオ用に増幅回路が2回路内蔵されていて、その2つの増幅回路を使ってBTL出力として組んでみましたがさすがにゲインが大きすぎて音量を上げるとすぐに歪んだり発振してしまったため1回路だけにしました。電源電圧が6Vと比較的高めなので1回路でもスピーカーからの音量は十分でした。ミクサーに入力する局発は、別にブレッドボードに組んだAD9834 DDS-VFOの出力からバッファなしでそのままLPFをつなぎ注入しました。

中古のSGが壊れてて感度を正確に把握できませんが、この構成でも7MHzという周波数なら実用になりそうです。AGCはミクサーか検波のSA612、オペアンプにかけるか検討中です。

2014年3月17日月曜日

安い水晶振動子でフィルターを

計画中のCWトランシーバで要のひとつなのは受信フィルター。

回路構成はシングルコンバージョンで、IF周波数はDDS発振の局発を使用するので比較的自由に決められますが7MHzと10MHzを想定してしているので4MHzあたりを考えています。フィルターに使う水晶振動子はジャンク水晶振動子を大量購入して選別するのも手ですが、秋月やサトー電気などで扱われているマイコン用のHC49USという背丈の低い4MHz水晶振動子(1個40円くらい)を数十個購入してAPB-3のネットワークアナライザで選別することにしました。







おじさん工房APB-3に水晶振動子を接続

4MHz付近を中心に測定して水晶振動子の直列共振周波数と並列共振周波数、それから直列共振のピークから3dB幅を測定し、LCRメーターで並列容量を測定します。

青線左の上ピークが直列共振 右の下ピークが並列共振 

各データをExcelに入力してみると、直列共振周波数の変動は少なめで並列共振周波数に若干個体のバラツキが見られます。並列容量はいずれも1.8pF前後で大幅な変動は見られません。そこで並列共振周波数が近い個体を選別して4素子のため4個選別してみました。
フィルターの設計は、計算式もあるのですがフリーウエアのFilter Designというソフトを使って自動的に素子のパラメータなどを計算させました。

Filter Designによる計算例


計算結果を基に4素子のフィルターモジュールを組んでみました。

 左下ブレッドボードにフィルターモジュール装着中 

フィルター特性

APB-3でフィルター単体の特性を見てみました。設計帯域幅は500Hzで、測定結果もだいたいそのくらいになっているようです。ただ4素子のためか裾野は広いですが^^;

 マイコンのクロック用水晶振動子は安く出回っていますが、フィルターとしても使えそうです。ただ並列容量が少ないのでSSB用に帯域幅が広げられるかはわかりません(装荷容量がさらに小さくなる)が追って検証してみます。



それにしても、改めてAPB-3は便利。自作の幅が広がります。

2014年3月8日土曜日

ブレッドボードのすすめ(DDS-VFOその2)

ブレッドボード(ほんとはソルダレスブレッドボードっていうんですよね)は、電子工作やちょっとした開発の主流になってきているのでしょうか。多種多様なコネクタに対応したブレッドボード用DIP化基板など便利なものがいろいろと出てきています。

モノを作り上げる過程においては追加変更などしばしば必要になってくるわけですが、この方式だとスイッチやコネクタなどの増設や取替え削除、ひいてはマイコン自体を気軽に交換して作業を進められるというところが開発過程にうまくマッチして、流行っているんじゃないのかなと思っています。

実際、このDDS-VFOも最初からいろいろな機能を全部作れるはずもなくまずは周波数レジスタをDDSに伝えてちゃんと目的周波数で発振するかどうかから始めています。DDS版Lチカみたいなものですね。後から思えばこれもLチカにちょっと毛がはえたようなものです(すいません言い過ぎました^^;)が、逆にLチカが実現できるかどうかということはきわめて重要なことがわかります。なものでブレッドボードではじめるにあたってLチカは必ず最初に行うことにしています。

そうして、少しずつ肉付けしていくように機能を変更追加していくというのが今のやり方です。ブレッドボードはそのやり方がとてもスムーズに進められる良い道具です。

video

PIC18F14K22のLチカ


今ここ
 
でもってDDS-VFO製作の近況ですが、フォントや表示アイコンを整え表示レイアウトはほぼ完成しました。仕様的には
・7~10MHz帯をカバーする(IF周波数は4MHzあたりとして発振周波数は3~6MHzを想定中)
・4chのVFOと4chの固定チャンネル(書き替え可能)
・RIT/XIT機能
・周波数ステップ切替は10Hz, 100Hz, 1kHz, 10kHz(ロータリーエンコーダの押しボタンスイッチで)
・Sメータと電源電圧表示
一応これで汎用VFOとしての機能は十分ですが、CWトランシーバー制御として現在キーヤーとブレークイン制御の実装中です。残メモリはまだ35%以上で余裕があったら起動画面を(笑)。

また備忘録的に各制御について書いていこうと思います。


2014年3月4日火曜日

ちばハムの集い2014に行ってきました!

昨日3月2日、千葉県四街道市で行われたJARL千葉県支部主催のちばハムの集い2014に行ってきました。

小雨がぱらつく寒い一日でしたが、車で向かい現地へ朝9時には到着したのですがすでに会場脇の駐車場は満車...仕方なく近くのスーパーにとめて会場入り。

寒かったのでジャンク市をチョロッとまわってすぐに大ホールに引きこもっていました^^;;なので会場の写真は大ホール以外撮りませんでした(言い訳)




午前中はD-STARとハムログの講演でした。ハムログの便利な機能について色々と説明があってほうほうと聞いていましたが、アイボールの記録とか写真まで出てくるのには驚きです。確かに交信数が多くなってくるといちいち憶えていられなくなりますよね。

お昼のあとは来賓の挨拶とオール千葉コンテストの表彰。自分も136kHz部門で参加してログも出しましたが、惜しくも2位で表彰台には上がれませんでした。コンテスト当日は台風のようなひどい天気のなか印旛沼脇まで移動して5局QSOしました。他にも荒天のなか頑張って移動した局も少なくないです。そんな移動局にも『こんなひどい天気の中でがんばったで賞』でも戴ければなぁなんてちょっぴり思ったりしました。

来賓として挨拶された方々の中で、先日136kHzで交信しQSLカードを戴いたJA1HQG 有坂OMとEBし直接カードを手渡ししました。


左は発行したカード。色々と使いまわしてますが^^;
右は有坂OMに戴いたカード。運用スタイルがとても洗練されてますね。アンテナの張り方やローディングコイルの設置位置、方向など参考になります。有坂OMどうも有り難うございました。

その後抽選会では、めでたくマグネット基台付きのV/Uアンテナが当たりました!
ハムの集い終了後は、某インド料理やさんへtwitter、G+つながりの面々と向かいカレーを堪能いたしました。非常に楽しい一日を過ごすことが出来ました。



 今年の千葉コンは表彰台に上がれるように頑張ります!また136kHz部門で。

2014年3月1日土曜日

DDS-VFO鋭意製作中

いまさら感が強いですが、アナログデバイセズ社のAD9834という定番DDSをPICで制御したDDS-VFOを開発中なのです。

もともと工作が好きなので、無線に戻った頃から海外のQRPトランシーバーキットに手を出して作っておりました。ちなみに振り返る意味でいままで作ってきたもしくは製作待ちなトランシーバーは...

NorCal 2N2/20 QRP CW TRANSCEIVER
RedHot 40 QRP CW TRANSCEIVER
GenesisRadio G11 SDR TRANSCEIVER
Peaberry SDR TRANSCEIVER
Youkits TJ2B HF SSB QRP TRANSCEIVVER
BitX20 SSB TRANSCEIVER
Hendrics Tri-Band QRP CW TRANSCEIVER
STM32 SDR TRANSCEIVER etc...

...なんだかたくさん手だしちゃったなぁ(汗

このなかではHendricsのTri-Band CW TRANSCEIVERが一番実用的で、設計も合理的で内容もDDS発振に高効率のC級ファイナル(BS-170 3パラで 5W余裕ででる!)、メモリーつきキーヤー内蔵などなどと非常に優れたキットだと思います。

で、こうなってくるとやっぱりキットでは飽き足らず自分で1から作ってみたいと思うじゃないですか(え?自分だけ?)。

そんなわけで、個人プロジェクトとして小型のHF CWトランシーバを立ち上げました。
主な仕様は

・発振部分はDDS発振で(PTOも面白いかなと思ったけれど、移動などで使うことを考えるとやっぱり安定したものが欲しい)
・メモリキーヤー内蔵
・モノバンドもしくは2バンド(40m と30mあたりで)
・リチウムイオンバッテリー(単3型)4本もしくは3本内蔵可能でかつコンパクトな筐体
・メーター類などもLCD表示で行う

などなど、結構欲張りな感じに。

制御をおこなうマイコンやDDSチップはかなり小さいですが、表示器のLCDが比較的大きくて接続線数も多く実験もままならないと思っていたところ、最近秋月で販売している超小型グラフィックLCD(AE-AQM1248 128x48ドット)に目がとまって早速この表示器とPIC(18F14K22)でまずDDS-VFOとして開発開始しました。
 ブレッドボードで製作中の図。DDSの基準発振は秋月から購入した48MHzの水晶発振器。
オシロで見る波形は綺麗な正弦波。

MPLAB 8.92とXC8コンパイラの組み合わせ。プログラムメモリはまだまだ余裕ありそう。

LCDの初期化やコマンドはLCD添付の説明書を参考にして、自前のビットマップフォントを作成して表示するようにしました。SPI転送でデータを送るのでPICのSPIモジュールを使うととても簡単です。DDSの制御は別にプログラムしましたが、もとはSPI転送なのでデータポートと同期用のクロックポートを共通してチップ選択だけ分けるようにすればメモリもPICのピンも節約できそうです。

今現在は、VFO8チャンネル、RIT機能、Sメーター、電源電圧表示まで出来上がっていますが、あとはキーヤープログラムと送受信制御、バンドフィルター切替機能を順次追加し一通りそろったところでユニバーサル基板に実装してアナログ部分の作りこみに入る予定です。

一応、おじさん工房のAPB-3スペアナでDDS-VFOをチェック。

 ブレッドボードで組んであったりして測定も厳格ではないですが、10MHzあたりまでは高調波のレベルも対基本波-50dB以上とまずまずか?

 200Hzごとにごく弱い不要信号が観察されますが、何が原因かはこの測定系では特定できないです。

まぁ焦らずぼちぼちやっていきましょかー