2017年5月1日月曜日

mcHFの帯域外不要輻射について その2

前回スペアナを使ってmcHFの帯域外不要輻射について検証してみましたが、mcHF yahoo groupにその結果を投稿してみました。

すぐに開発者から規制値以下なので良しとしました、と返信いただきました。

帯域外スプリアスは50dB以下と勝手に思い込んでいたのでこれは改善しなくてはと思っていましたが、改めて調べなおしたら40dBだったので、局発リークと目的信号との相互変調波を含めた帯域外不要輻射については規制値をクリアしていると見てよさそうです。

ただPAドライブを大きくしすぎるとPINダイオードのとろこで酷いスプリアスが出てしまうため、PINダイオードを除去してリレーにするか、PAドライブを下げるなどの対策はやはり必須です。また高調波をもう少し抑制したほうが良さそうなバンドもある(40m, 20m, 15m以外)ので、こちらのほうはLPFの定数を調整するようにして基準をクリアするようにしたいと思います。

とりあえず最初にスペアナで観察したときに見た一見良くわからない帯域外不要輻射の原因が自分なりにつかめたのでそれで良しとします。

同じような構成のKX3やKX2も同様な不要輻射を含んでいると思われますが、どなたか検証していただけると良いなと思います。

4 件のコメント:

  1. 色々調査、ありがとうございます。いずれにせよ、私のmcHFでは7MHzにおいて帯域外で基準40dBを一部クリアしておらず手直しが必要です。V0.5ではリレー改造で問題なくなる物と私の物のように更なる手直しが必要なものがあるようです。原因を考えながら正しい動作とするのもエンジニアとしては楽しいです。ちなみに私はソフトが専門なんですが。貴重な情報をありがとうございました。

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    1. DIWさん、こんばんは。

      私の個体はV0.6ですが、局発漏れ信号のレベルはIQバランスやPAドライブレベル調整を行ってもほとんど変化しませんでした。また、SSBモードでマイクゲインをゼロにした無変調状態で送信すると、スペアナ上では局発漏れ信号成分だけになり他の不要輻射成分が消えます。したがって目的信号とそれに近い局発漏れ信号とで多様な相互変調成分が送信ミクサ出力ですでに発生しており、それがそのまま増幅されていると考えられます。ですので、送信ミクサの局発漏れをできるだけ抑えて目的信号との相互変調成分を抑えることがまず必要かもしれません。具体的な方法については今後も検討を続けたいと思います。

      >原因を考えながら正しい動作とするのもエンジニアとしては楽しい
      まさに仰るとおりです。

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  2. mcHF、良いですよね。以前から興味を持ってみていました。
    ご希望の KX3 のスプリアスを DSA815-TG で測定した結果をブログに載せました。
    http://sdr-de-bcl.blog.so-net.ne.jp/2017-05-09-4
    ご指摘のような不要輻射は見られません。かなり良好な結果が見えています。
    なお、その前に K2、KPA100 の測定でくたびれてしまったので、KX3 は 7MHz と 14MHz でしか見ていません。
    ご要望があれば別の機会に全バンドの測定をしてみます。
    K2 の TR スイッチは普通のシリコン・ダイオードですが、KX3 の TR スイッチは何を使っているのか分かりません。マニュアルや解説本を見てみましたが、分かりませんでした。

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    1. ktmさん、はじめまして。コメントありがとうございます。

      KX3の測定結果公開くださりありがとうございます。高調波も帯域外もよく抑えられていると思います。一方のmcHFですが、一度まともな金属ケースに収めて再測定しておきたいです。もしかしたら結果が変わるのではないかと考えています。自分の個体は基板むき出しなので信号のまわりこみなどもあるのかもしれません。

      バンドによってばらつきはありますが、おおむね基本波に対する帯域外スプリアスは40dB確保できているので、あとは高調波スプリアスを抑えれば一応使えると考えます。

      気が向いたときにでも構いませんので、他バンドの状況も教えていただけると有難いです。

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